今週のお題「カバンの中身」
空飛ぶカバン【CAのバッグの中身】
わたしは外資系エアラインの客室乗務員である。
東京をベースに、ヨーロッパへフライトしている。
乗務のときに持っていくのが、サムソナイトのスーツケースとショルダーバッグ。
いずれも会社から支給されたものだ。
わたしと同じく、ずいぶんと年季が入ってきた。
少しばかりシミがあったり、すり切れている部分もあるが、それもまた味わいだと思っている。
① 身分証明書
さて本題のカバンの中身であるが、ぜったい忘れてはならないのがパスポート。
それからIDカードと各種ライセンス。
これらがないと、飛ぶことができない。
空港で買ったフルラのパスポートケースに、全部まとめて入れてある。
ほかにも、大事なものが入っている。
そのほとんどが入社初期からのスタメンで、もう20年以上も持ち運んでいるものだ。
② お守り
夫からもらった初めてのプレゼントでもある、サルガデロスのお守り。
スペイン製の磁器のチャームで、人の手のかたちをしている。
楳図かずお氏の人気漫画「まことちゃん」の「サバラ」に、ちょっと似ている。
それから義母にもらった、成田山のカエルのお守り。
キンキラキンで、背中には6つもラインストーンがあしらってある。
同封されていた紙には、「無事かえる」と書いてある。
こんな仕事をしている嫁の、旅の無事を願って贈られたものだ。
そしてお客さまが機内で作って下さった、ビーズでできたワニ。
どこの国の方だったか覚えていないが、「Ageru(あげる)」と差し出された瞬間のことは、今でも忘れない。
まだ日本語のできる外国人客が少なかったころ、英語風の発音で日本語を話すその人はとても可愛らしかった。
「えっ、わたしにですか?わぁ嬉しい!これは何ですか?」
「Wani(ゥワニ)」
ワニのワが、ワンダフルのWの音だったのを、耳が記憶している。
③ 保湿機能コスメ
あとは財布や鍵など貴重品のほか、美容グッズがいくつか入っている。
- ミスト状化粧水(ラロッシュポゼ)
- エイトアワークリーム(エリザベスアーデン)
- ハンドクリーム(ロクシタン・サボン)
- 目薬(サンテボーティエ)
飛行機のなかは乾燥しているから、うるおいグッズ持参がマスト。
④ たいせつな人たちの想い
- ママ友がくれたハンカチ
- 同期にもらったリップクリーム
- 息子からプレゼントされたマスコット人形
- 家族の写真
バッグのジッパーには、母といっしょに買ったフクロウのキーホルダーがついている。
母がよく言っていた。
「フクロウは『不苦労』いうて、縁起物やねんで」と。
なにも空にまで縁起を担いで行くことはないと思うのだが、このフクロウもまた、長年の道連れだ。
モノだけでなく、たいせつな人たちの優しさや思い出がいっぱい詰まったカバンを持って。
明日もまた、わたしは世界の空を飛ぶ。
【追記】
空飛ぶかばんにラブクロムが仲間入りしました
人気ブログランキングに参加しています。
応援クリックをいただけると励みになります⇩