犬は人に付き猫は家に付く〜わたしが美容院を変えた理由〜
(写真はイメージです)
担当の美容師さんが違う美容院で働くことに
わたしが16年間通いつづけている、大手美容室・TAYA。
担当者のMちゃんが、3月いっぱいで店を辞めることになった。
アシスタントのころから、かれこれ10年以上お世話になっている彼女。
TAYAが、そしてMちゃんが大好きなわたしは、しばらく言葉を失った。
同時に、これからどうするのか、自分に問うた。
答えはもちろん、「Mちゃんについていく」だ。
けれど長年自分に染みついた習慣ともなっている、あの店に行けなくなるのはつらい。
わたしの行きつけのTAYAは、もよりの駅から歩いて数分の距離にある。
近くには郵便局や銀行、コンビニ、スーパーに書店、そしてドラッグストア。
主婦にとっては、この周辺でほとんどの用事を済ませられると言ってもいい。
すこし歩くと、たくさんのマンションが建ち並んでいる。
繁華街と住宅街とを結ぶ、便利だが比較的しずかなエリアにあるから、店はいつも地元客でいっぱいだ。
かつて、表参道や銀座で美容室ジプシーをした果てに、行きついたのがここだった。
ふだん着で、ほぼほぼすっぴんで。
しかも、徒歩で行ける気軽さ。
なにかと髪悩みの多いわたし。
月に2回、3回と、足を運ぶことだってザラにあった。
人を取るか場所を取るか
Mちゃんの次の勤め先の美容院は、電車を乗り継いで行かなければならない。
往復の時間、労力と電車賃。
諸々の条件において、通うためのハードルがぐんと上がる。
Mちゃんの腕に惚れこんだお客さんのなかにも、地の利を選ぶ人がいて当然だ。
だがわたしは、場所ではなく人に付くタイプの人間みたいだ。
「犬は人に付き猫は家に付く」
ということわざがあるが、この点において、わたしは犬であるらしい。
対価を払って商品を買ったり、サービスを受けるとき。
わたしがいちばん大切にしているのは、信頼関係である。
目には見えないものだからこそ、ていねいに育んでつなげていきたい。
また女にとって、最善の美容師を味方につけることは、美への最短距離を知っているに等しい。
Mちゃんは、わたしの髪もココロも知りつくした、最高にして最強の味方なのである。
新しい春のはじまり
お世話になった、アシスタントのT田くん。
たしかな技術と、あたたかなおもてなしをありがとう。
あなたといっしょに、いつまでも笑っていたかった。
Mちゃんとともに、店を去ることをお許しください。
そして店長さんはじめ、お店のスタッフさんたち。
いつも快適な時間と空間を、ありがとうございました。
みなさんと会えなくなってしまうのは寂しいけれど、Mちゃんの新天地での最初の顧客として、彼女の活躍を見守っていきます。
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