外資系エアラインCAの新人訓練【エピソード2】
日本人CA同士の人間関係は悪い?
6人いる同期のうち、関西出身者はAちゃんとわたしのふたりだけ。
Aちゃんは最初に出会ったときから、いろんな意味で日本人離れしていた。
アメリカに住んでいるとき、黒人のルームメイトとよく喧嘩をしたとか。
香港にいたときは、中国人タクシードライバーと対等にわたりあっていたとか。
彼女のコスモポリタンぶり?は、枚挙にいとまがない。
そんなAちゃんだが、彼女のオリジンは限りなく関西。
100%メイドイン関西のわたしと、シンクロ(同期)するのは必然の流れだった。
関西人と関東人の文化の違い
はじめのうちは、関西出身者と関東出身者の間に「国境」が存在した。
冗談が通じない(関西人→関東人)
いつもふざけている(関東人→関西人)
育ってきた環境がちがうから。
わかりあえないのはイナメナイと思っていた。
(出典:セロリ)
新人訓練中のおもしろエピソード
本国(ヨーロッパ)でのトレーニング中のある日。
忙しいスケジュールのなか、めずらしくポッカリと時間が空いた。
さしあたってやることもないから、宿泊しているホテルのプールで泳ごうという話になった。
わたしたちのほかには利用客のいない、こぢんまりとした静かなプール。
持参した水着にきがえて、おのおのが好き勝手に泳いでいた。
そのうち、Aちゃんとわたしがシンクロナイズドスイミング(もどき)をはじめた。
やっているうちにどんどん楽しくなってきて、より激しい技(もどき)に挑戦してゲラゲラと笑っていた。
それを見ていた同期のうち3人は「つまんない」 と言って、早々に部屋へと帰ってしまった。
しかし、ひとり残ったR子さんだけは、わたしたちの華麗なパフォーマンス?に手を叩いて魅入っていた。
R子さんは最年長で、みんなのまとめ役。
しっかり者で気配り上手の、お姉さんみたいな存在だ。
わたしは常々、優等生の彼女のことを、ドラえもんに出てくるしずかちゃんに似ていると思っている。
Aちゃんとわたしは、彼女をもっと喜ばせようと、調子にのって演技をつづけた。
そしてしまいには、興奮しすぎてAちゃんが鼻血を出してしまう事態に!
それからというもの。
なにかにつけて話題にのぼるシンクロ騒ぎであるが、数年前に衝撃の事実が発覚した。
それはR子さんが、本当はあのときお部屋に戻りたかったということ。
そして、ほかの3人と同じく、実はつまんないと思っていたこと。
それを聞いたとき。
わたしとAちゃんはガッカリするどころか
「めっちゃおいしい!!!」
と、大いに盛り上がった。
一緒に楽しんでくれているとばかり思っていたのに、実はスベっていた。
関西人は、こういった現象を「おいしい」と形容する。
関西、こと大阪においては「自虐」というひとつの美学が存在する。
その件については「梅干しを食べたことのない人にその味を説明する」くらい難しいので、またおいおい触れることにする。
参考文献?
公私にわたる最強の仲間たち
話はそれたが、いろんな出来事を共有して、固く結ばれたわたしたち。
最初は高くそびえていた東西の厚い壁も、いまではすっかり取り払われた。
遠い異国の地での新人訓練を乗り越えられたのも、長きにわたりこの仕事をつづけていられるのも、ほかならぬ同期のおかげだと心から感謝している。
いつも支えてくれて、本当にありがとう。
これからも、どうぞよろしく。
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