自分という名の飛行機【こころが折れそうになったら】

自分という名の飛行機

 

飛行機が無事に目的地へ到着すると、ホッとする。

自分が担当するステーションの窓から、空港に着いたことを確認すると、達成感で胸がいっぱいになる。

あたりまえのことが、あたりまえに終わる。

それが、わたしたち空で働く者たちの着地点だ。

 

乗務員は降機したあと休むことができるが、飛行機はそうはいかない。

かんたんな清掃を済ませ、設備点検を終えると、また次のデスティネーションへと飛び立っていく。 

機体にとっては、休まず飛ばしつづけるのが一番いいと聞いたことがある。

飛行機というものは、休ませてしまうと逆に不具合が生じるらしい。

 

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止まったら死ぬ…

飛行機は、寛平ちゃんに似ている。

でも、ふつうの人間は、休まないとどうなるか。

心がギスギス、トゲトゲしてきて、余裕がなくなってくる。

 

心が折れそうになったら

 

もうこれ以上、飛べないと感じたときは。

あたりまえのことを、あたりまえにできなくなったら。

つばさが折れてしまわぬよう、いさぎよくその体を休めよう。

じっと息をひそめて。

もういちど飛び立つタイミングを、自分で見極める。

人生というロングフライトを、快適に操縦していくために。

自分という飛行機の機長は、ほかでもないあなただから。

 

格納庫から、ふたたび飛び出す日。

きっと空は晴れて、はるか遠くまで見渡せるはず。

どこまで飛べるかは、あなたしだい。

速度も高度も、自分が決める。

遅くても、低くてもいい。

上昇気流に乗れる、その瞬間を夢みて。

前に向かって、ひたすらに飛ぼう。

 

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