聖夜に想うこと【2017年クリスマスによせて】
夜の機窓から はるか地上を見下ろすと
幾千のあかりが またたいて見える
見知らぬ国 見知らぬ土地
知らないだれかが 生きている場所
賑やかにひしめいているところと
ぽつりぽつり点在しているところ
それぞれに 光の強さは違えども
その灯火 ひとつひとつのなかで
だれかの人生が 流れている
笑っている人 泣いている人 怒っている人
いろんな人のいろんな感情が 複雑に交差して
世界に灯るあかりは 今日もゆらめいている
ひとりの人間の人生なんて
宇宙からしたら流れ星のようなもの
だけど人は 自分のいる場所だけが
この世のすべてだと かんちがいしてしまう
だれもが地球の歯車のひとつにすぎなくて
ひとりではどうしようもないことがあるって
もっとかんたんに悟ることができたら
人は今よりも ずっと楽になれるのに
時の流れに抗い また身を委ねながら
与えられた定命を精いっぱい生きる
もしも いたずらな運命に翻弄されて
ささやかな望みさえ奪われそうになったら
星に願いをかけよう
聖なる夜に星が降る
静かに そして優しく
きらきらと星が舞う
あなたのもとにも降りそそぐ
そう 今宵はクリスマス
いつもと違うようでいて
いつもとなんら変わらない
だれかの人生がはじまり
だれかの人生が幕を閉じる
宇宙の営みのなかでは
ごくごく あたりまえのこと
生きることにも 消えることにも
そう 理由なんてない
与えられた命を その灯火が消えるまで
ひたすらに生きるだけ
星がめぐるように 人の人生もめぐる
規則的に ときに不規則に
軌道修正しながら さらなる光をもとめて
命がこの世にあるかぎり 輝きつづけたい
光を与えてくれた人たちに 感謝しながら
いつかは自分も
ほかのだれかを照らすことができるよう
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