子育て真っ最中の悩めるママたちへ
暮れかけた街。
同じ方向を向いて歩いていく人の群れのなかに。
大声で泣きながら、なにかを訴えている小さな子。
彼の手をひいて、ずんずん歩いていく若い母親。
見たところ、まだ3歳くらいであろうか。
言うことをきかない男の子に、イライラが募っているようす。
彼女は怒鳴って足を止め、その場に勢いよくしゃがみこんだ。
ぶつのか、と思った瞬間。
あきれたように小さく笑い、優しく息子を抱きしめた。
しゃくりあげながら、なおも訴えつづける子ども。
彼のことを抱きしめながら、話に耳を傾ける母親。
わたしを含め。
周りにいた人々は、内心ホッとしたはずだ。
無関心を装いつつも。
緊張がとけた空気のなかを、人々は歩きつづける。
道の片隅で、ひとつになった親子のかたまりが、だんだん小さくなっていく。
まるで、遠いむかしの思い出が遠のいていくかのように。
育児は育自
初めての育児に悩んでいた。
ひとりぼっちのような気がしていた。
泣きたいのはこっちなのに、ママだから泣けない。
あそこに座っているのは、出口のない思いを抱えた、あのころのわたし。
彼女に、そっと伝えたい。
もう少し。
もう少しだけがんばれば。
楽になるときが来るよと。
そして自分の手を離れたとき。
ウソみたいに寂しくなるよと。
だからいま。
たくさん抱きしめてあげてねと。
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