息子の出演するミュージカル【初舞台】観劇に行ってきた
池袋にある某シアター。
無事、息子の初舞台初日の幕が降りた。
この春に入団して、わずか4ヶ月。
連日、お稽古を重ねてきたとはいえ、よくぞあれほど度胸ある芝居ができるものだと、身内ながらに感心させられた。
きのうは、息子が小学校のときのママ友と、池袋で待ち合わせ。
池袋には、めったに足を運ばないため、完全アウェイ状態。
とりあえず劇場の近くまで行って、なにか食べて待つことにした。
開場が18時、開演は18時30分。
「自由席なので、はやく来て最前列をゲットせよ」とのお達しが。
開幕直前だというのにラインができるなんて、えらい余裕があるのね。
メンタルがお豆腐のわたし。
もし同じ立場だったら、ほかのことなんて考えられないだろう。
でも機内では、急病人が出たりしても焦らず、トウフ返上で動くことができるので、意識の問題なのかもしれない。
18時前に劇場についたら、すでに列が出来上がっていた。
18時を回ったところで、第一陣のエレベーターに案内される。
人でぎゅうぎゅう詰めのなか、最後に乗り込んで階上へ。
ドアが開いたらすぐ、狭い廊下にテーブルが現れた。
意図せず、わたしたちが一番最初に受付をする流れになってしまった(うしろの人ごめんなさい)
「お好きなお席へどうぞ!」
若い劇団員の指示にいざなわれて、いざ最前列へ。
満員で席が足りなかったのか、1列目のシートの前に、さらにパイプ椅子の列がこしらえてある。
ほとんど舞台の一部?というくらい、演者に近い席。
されどクッションのないパイプ椅子。
2時間のお芝居に、おしりが耐えられるかどうかだ。
どちらに座ろうか、しばし迷った。
結局、1列目にはパイプ椅子との段差がないため、見づらいかと判断。
あえて、固いパイプ椅子を選んだ。
これが大正解!
演者の息づかいまで聞こえるような、迫力満点の臨場感。
目線はもらえるわ、視線で釣られるわ。
物語の世界感を存分に味わえる、最高のお席だった(おしりは四角くなったけど)
それぞれが皆はまり役で、作品の中でイキイキと息づいていた。
心ある、ていねいな芝居が繰り広げられる。
心の底から、舞台が好きなんだろうな。
息子も、ほんとうに楽しそう。
ソロの曲も、堂々と歌い上げていた。
あなたは、自分の居場所を見つけたんだね。
終演後に、役者面会とやらがあった。
母親がいると、バツが悪い思いをするかもしれないと、一瞬帰ろうかと考えた。
しかし、「せっかくの機会だから、記念に写真が撮りたい」と友達が言ってくれたので、その場に残ることにした。
ほどなくして、役者たちが客席まで降りてきた。
ニコニコ顔の息子。
わたしたちの背後に、大学の友人たちが座っていたことを告げられる。
わたしは慌てて振り返り、お辞儀をした。
ひと通り写真を撮ったあと、息子は友達と談笑し始めた。
舞台の出来を褒めてくれる友達に、照れる息子。
彼らが振りまく青春のきらめきが、まぶしかった。
新しい人生のステージへ
息子が小さいころから、学校行事のたぐいには、ほとんどすべて参加してきた。
仕事に折り合いをつけたり、たいへんな思いをしても、彼の笑顔を見るのが楽しみだった。
ふつう男の子は、ある程度の年齢になると、母親には来てもらいたくないと言い出すらしいが、息子は違った。
それは、いまも昔も変わらない。
今回の舞台だって、毎日でも観にきてほしいと言う。
だが、わたしの脳内には、きのうからある曲が流れている。
それは、ミュージカル「ロミオとジュリエット」に出てくる、ジュリエットの乳母の独唱。
だけどいま〜大人になり〜
もうわたしは〜必要ない〜
手塩にかけて育てたジュリエットの、ひとり立ちを確信する場面の歌だ。
わたしは乳母ではなく母だし、息子も女の子ではないけれど。
いまのわたしの気持ちに、いちばんしっくりくるナンバーがこれだ。
昨今の舞台では、観劇後の感想(アンケート)を書くのも、紙ではなくウェブだそうだ。
SNS上での評判も上々。
名指しでお褒めのコメントをくださる、優しいかたもいる。
きょうは2日目。
マチネとソワレ、2回公演。
体力はもつのだろうか。
気力も、ちゃんと持続するだろうか。
なにより、お客さまの心に響くパフォーマンスができているだろうか。
つぎは日曜日に、夫といっしょに観に行く予定。
芸事に難色を示す、父親の反応やいかに。
母は家で乳母のナンバーを口ずさみながら、きょうの舞台の成功を祈っている。
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