はじまりの前夜【息子ミュージカル初日を迎える】
いよいよ明日。
息子が出演するミュージカルの、初日の幕が開く。
所属している劇団の演者は、基本学生とのこと。
だが演出家の先生をはじめ、スタッフの方々は皆プロ。
チケット代も、それなりの値段がするので、かなり本格的なものなのだろう。
池袋の、とある劇場で行われる公演。
6日間、マチネとソワレ、あわせて10回。
無名の息子の舞台に、集まってくださる方がたくさんいる。
中高サッカー部時代の仲間と、そのママさんチーム。
ミュージカルを始めたと話したときからずっと、絶対観に行くと言ってくれていた。
力強く、心優しい応援団。
小学校時代のママ友。
大きくなった息子を見て、さぞや驚くことだろう。
わたしの従姉妹と、そのご主人。
会社の同期のM美。
赤ちゃんのころから、彼のことを知っている人たち。
ありがたいことに、担当の美容師Mちゃんと、そのお友達も来てくれる。
たいせつな時間をさいて足をお運びくださる皆さまに、喜んでいただける舞台をお届けできるよう、精いっぱいがんばってもらいたい。
わたしが出るわけではないのに、今夜はなんだか落ちつかない。
当の本人はいつもと変わらず、いたってリラックスモードなのに(笑)
顔は判で押したよう?にソックリなわたしたちだが、メンタルはほぼ正反対だ。
あがり症なわたしには似ず、まったく緊張しないらしい。
役に入り込んだら、恥ずかしさなんて消えてしまうのだそう。
ここだけの話だが。
この公演が終わったら、いくつかのオーディションを受けることになっている。
某大手芸能プロダクションから、お話が舞い込んだのだ。
まさかの展開に動揺する母親だが、当の息子はケロっとしている。
「まずは舞台の成功だから」
そう、そうだよね。
おっしゃる通り。
しかし妄想癖の強い母。
すでに息子が華々しく芸能界デビューする青写真を描いている。
アホと呼ばれてもいい。
わが子を信じてあげられるのは、ほかならぬ親だけなのだから。
明日。
舞台上のきみは、どんな顔を見せてくれるのだろう。
演技には、その人が生きてきた人生が反映されるという。
すべてを知っているつもりでいたけれど、知らない顔も見ることになるだろう。
役者として歩み始めたきみに、畏れにも似た敬意を払って。
ジリジリと暑い、真夏の朝を迎えよう。
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