サンクトペテルブルク
サンクトペテルブルク。
ロシア帝国時代に、首都として栄えた歴史ある都市。
現在、日本とヨーロッパを行き来する飛行機は、サンクトペテルブルク上空を通過する。
わが社の便でも飛行経路に入っているため、機長がその街の名をアナウンスする。
あれを日本語に訳しているのが、わたしたち日本人乗務員だ。
機長やパーサーから入った情報を即座に翻訳して、乗客の皆様にお伝えする。
外資系エアラインの機内アナウンスに、ときおり不自然な表現が混じるのはそのためだ。
長年この仕事をしているので、大体のことは頭に入っている。
お客様の前でキャプテンアナウンスが始まっても、にっこり笑って水割りを作ることができる。
しかしまれにマニュアル通りでないことや、聞いたことのない街の名前が飛び出すことがある。
そんなとき、わたしは時機を見計い、操縦室にインターフォンコールをする。
「やあ!Viki、どうしたの?」
「サンクトペテルブルクの次、どこを飛ぶって言ったの?」
「○△☆∞◇*▼だよ」
(わははは、わからん)
ロシアの地名は、発音が難しいものが多い。
しかし、聞いて分からなくたって、スペルさえ見ればなんとかなる。
わたしは手が空いたとき、操縦室へ向かう。
到着まで、ほとんど訪問客のない操縦室。
しかしパイロットだって血の通った人間。
ときに人恋しくなるのだろう。
こんなわたしでも、手厚い歓待?を受けることができる。
空港でのブリーフィング以来、あまり顔を合わすことのないコックピットクルーとキャビンクルー。
操縦室を訪れるのは、大事なコミュニケーションの機会であるとわたしは思っている。
飛行機というのは、つねに同じルートで飛んでいるわけではない。
天候やその他の都合によって、少しずつ違う場所を飛行するからである。
そんなことを知るにつけ、空の旅は興味深いと感じる。
クスミティー【サンクトペテルブルク】
サンクトペテルブルク生まれの紅茶、クスミティー。
今回ご紹介するのは、クスミティーを代表するフレーバーのひとつ、サンクトペテルブルク。
メゾンを象徴するヒストリックブレンドのなかでも、三本の指に入る人気商品である。
▶︎ Amazonクスミティーストアはこちら
アールグレイをベースに、キャラメル、レッドフルーツ、バニラのニュアンスを加えた芳しい風味。
クスミティー生誕の地に捧げる、オマージュ的なブレンドだ。
スッキリした味わいのアナスタシアと対照的な、ふくよかな口当たり。
より甘い香りがお好みの方には、こちらがおすすめ。
入社以来ずっと、当たり前のように飛んでいたサンクトペテルブルク。
「機長に代わりましてご案内いたします。当機はまもなく、サンクトペテルブルク上空を通過し…」
世界の空が分断された今。
機窓から見えたあの広大な大地を想う。
早くまたヨーロッパで、クスミティーの店を訪れる日が来ることを切に願う。
▶︎ クスミティー公式オンラインブティックはこちら
📕人気ナンバーワンブレンド、アナスタシアのレビューもどうぞ。
人気ブログランキングに参加しています。
応援クリックをいただけると励みになります。