もしも航空会社が、タカラヅカとコラボしたら?【宙組編】
この記事では、わたくし現役の客室乗務員が「こんなフライトがあったらいいな」という夢(妄想)について書いています。
真風機長が操縦される便に、乗ってみたいですよね?
フライトが終わり、飛行機から入国審査場まで歩くのが好きだ。
仕事が終わった開放感もあって、クルーと軽口をたたきあう。
「キャプテン、今日のランディング(着陸)は、とてもスムーズだったわ」
「わたしじゃない。コーパイ(副操縦士)を褒めてやってくれ」
ベースでのブリーフィングから、およそ12時間あまり。
コックピットとキャビンに分かれて働いていたクルーが、ようやく顔を合わせる瞬間でもある。
ANA スター・ウォーズジェットとの遭遇
ある日のこと。
飛行機を降りたら、目前にドドーンとANAのスターウォーズ機が。
若いクルーは、インスタ映えするその機材を、一生懸命カメラにおさめていた。
成田空港の場合。
飛行機の入口ではなく、ターミナルのゲート付近で集合することになっている。
年配のクルーは、若いクルーが来るのを待っていた。
夢中になって写真を撮っていると、初老のパーサーが戻ってきて言った。
「こらこら、おまえさんたち、はやくこっちに来なさい。みんな待ってるぞ」
「はぁ〜い」(なぜか、ヤングチームに混ざっているわたし笑)
まるで、大家族で旅行しているみたいだ。
好奇心旺盛な子供たちが足を止めるのを、大人たちが待っている。
「ホラ、もう行くよ」
そう言いながらも、子どもの気持ちを尊重して、ちゃんと待ってやる。
ウチの会社は、そんな家庭的な雰囲気にあふれている。
以前、大阪に帰省した際。
たまたま、スターウォーズ便に乗り合わせたことがある。
搭乗口では、ヨーダの巨大ぬいぐるみがお出迎え。
紙コップも、ヘッドレストカバーも、キャビンクルーのエプロンも、スターウォーズの柄。
安全に関するビデオさえ、ディズニーランドのアトラクション「スターツアーズ」を連想させる趣きとなっている。
そう言うと、ヤングたちは「ワーオ!乗りたーい!」と大はしゃぎ。
だがわたしはひとり、心のなかで「二度と乗りたくない」と思っていた。
あなたの知らないスターウォーズフライトの世界
その便は満席だった。
わたしは、3人がけのシートのド真ん中。
右隣(以下:ライト氏)は、「全身」迷彩柄の服を着た男性。
アーミー的なお仕事ではなく、ファッションであることがわかるレベルではあるが、戦場カメラマンばりの立派な機材を、足元いっぱいに置いている。
スマホケースは、トルーパーのマスクを模したものだ。
左隣(以下:レフト氏)は対照的に、ネクタイに白シャツと紺色のスラックス。
ふつうのメガネをかけて、黒いブリーフケースを持った、ごく一般的なサラリーマン風の男性である。
そんの二人がまぁ。
乗ってきた瞬間から、ガサガサガサガサ忙しいんだわ。
ライト氏は、いきなりテーブルをひろげて、その上にフィギュアっていうんですか。
精巧に作られたキャラクター人形をズラーッと並べて、ごっついプロ仕様のカメラでバッシャバッシャ写真を撮りはじめた。
何?いったい何が起きてるの?
紙コップのとなりにダース・ベイダー置いてパシャ!
紙コップのまえにR2–D2置いてパシャ!
配置換えしてまたパシャ!
なんぼほど撮っとんねん。
レフト氏は、スターウォーズ柄のエプロンをつけたCAさんに向かって「素敵ですね。写真、お願いしてもいいですか?」と聞いていた。
若いCAは「わたしでよろしいんでしょうか?」と言いつつ、髪の乱れを直してニッコリとほほえんだ。
なんと。
エプロンを口実に、写真撮影を依頼するとは。
ジェントルマン、おぬしも策士やのう。
「ありがとう」
ホクホクとうれしそうに写真を確認するレフト氏。
距離が距離なだけに、否が応でも彼のスマホ画面が目に入ってくる。
ハッ( ̄◇ ̄;)
CAのアタマ、切れてるやーん!
レフト氏は、CAの顔なんてどうでもよかったのだ。
スターウォーズエプロンのショットに、ただうっとりと見入っている。
なんやねんこの世界!
その後、着陸してシートベルトサインが消えるまで。
ライト&レフトは、ガサガサガサガサ動きつづけた。
東京〜大阪という、わずか一時間あまりの飛行時間。
だけどわたしにとっては、狭い空間をヘビーなヲタクたちに挟まれた、苦行のようなフライトだった。
機内であんなに「右往左往」した経験は、かつてなかった。
もし、真風さんはじめ、宙組メンバーがエアラインクルーだったら?
だが、考えてみた。
もしこれが、タカラヅカコラボフライトだったら?
しかも、宙組フライトだとしたら?
わたしだって、彼らと同じ動きをしただろう。
いや。
もしかしたら、輪をかけて不審だったかもしれない。
考えているうちに、妄想がだんだん広がっていく。
ようこそ 華麗なる妄想フライトへ【コスモス(宙組)エアライン】
機体には、トップスター真風涼帆氏を中心に、組子全員の写真が一面に。
その尾翼には「SEIZE the DAY」の文字が揚々と。
澄みきった青空に、端正なブラックのロゴがよく映える。
空港ロビーのガラス越しには、おおぜいの人々が写真を撮っている。
「乗りたかったね」
「かっこいい!」
「拝めただけでも良かったわ」
などなど、興奮したざわめきに包まれている。
搭乗開始の案内がはじまった。
幸運な乗客たちが、ぞくぞくとシップに乗り込んで行く。
エントランス付近では、コスモスフライト限定ポストカードと、次回公演のチケットが当たる抽選券が配られる。
ボーディングミュージックは、ミュージカル「シトラスの風」より「明日へのエナジー」
シトラ〜ス シトラ〜ス シトラスの風よ〜♪
ブランニュー ウィング(=まっさらな翼)
いま〜 シトラスの「羽根」が飛ぶ〜 ♪
(*替え歌です)
そしてもちろん。
紙コップも、ヘッドレストカバーも、クルーのエプロンも。
すべてが真風さんと芹香さんの写真とサイン入りだ。
シートポケットに入っているスミレ色のイヤホンは、自由に持ち帰ることができる。
機内誌には、機内でしか買えない真風涼帆氏監修グッズ。
パスポートケースや斜めがけのポシェット、はみがきセットやアイマスク、スリッパやブランケットなどなど。
ゆりかさんと一緒に旅をしている気分になれる、すてきなトラベルアイテムが勢ぞろい。
妄想していると、だんだん楽しくなってきた。
このさい、飛行高度と一緒に❓妄想レベルをもうひとつ上げるとしよう。
もし、エアラインクルーがタカラジェンヌだったら?
一日かぎり、宙組の組子さんたちが乗務することになったら?
🛫フライトの始まりから終わりまで、シュミレートしてみよう🛬
全席がSS席【ファーストクラス】
搭乗口で出迎えてくれるのは、キラキラ笑顔のトップ娘役・星風まどかちゃん。
「天は赤い河のほとり」の公演にちなんだ、ハート型のアメちゃんをもらう♡
「何のまじないだ?」というキーワードが言えた人は、可愛い声で「ハートだよ!」と返してもらえる(何のサービスだ)
中に入ると、あっきーさんの温かい声でウェルカムアナウンスが流れてくる。
「ご乗客のみなさま。本日はコスモス航空OC11便(オーシャンズ11にちなんで)にご搭乗くださり、まことにありがとうございます。パーサーの澄輝さやとです」
つづいて、非常用設備の説明。
左右の通路に、セーフティーデモキットを持った蒼羽りく氏と桜木みなと氏がスタンバイ。
アナウンスにあわせて、救命胴衣のデモンストレーションがはじまる。
キビキビとした身のこなしに、うっとりと見入ってしまう。
ふだんなら軽くスルーしてしまうくせに、今日はオペラグラスを使ってガン見。
わたしは、救命胴衣になりたい(以下自粛)
右を見るか、左を見るか。
スターウォーズフライトと違って、こちらは幸せな「右往左往」だ。
出発の準備が整い、クルーも着席。
機体中央・翼の上の非常口付近に座っているのは、和希そら氏。
しかもわたしは、向かい合わせの座席(お見合い席とも呼ばれている)
うかつに目があって、笑顔でも向けられたあかつきには!
呼吸困難におちいり、いきなり酸素マスクのお世話にならないといけない。
そらさんに介抱していただけると思うと、それはそれでよき⇦大迷惑
そして飛行機が、巡航高度に達したとき。
操縦室からは、聞きなれた「あの声」が! !
「みなさま、本日はようこそコスモスエアラインにご搭乗くださいました。機長の真風涼帆です。この便には、わたくしと二名の操縦士・芹香斗亜と愛月ひかるが乗務いたしております。どうぞごゆっくり、おくつろぎください」
キャー!
ゆりかさんが操縦桿を握っているなんて…✨
もう、天にものぼる気持ちですよね〜⤴︎
…って、飛行機の上だから、すでにのぼってるか〜
真風機長のアナウンスはつづく。
「当機はただいま、マラシャンティアのほとりを順調に飛行中です。これよりフィレンツェ、ロシア上空を経由して、一路ラスベガスへとまいります」(公演順ですw)
ヅカオタ心が満たされる機内サービス
とろけるような機内アナウンスに聞き惚れていると、ミールサービスがはじまった。
ギャレー(お台所)から、焼きたてのパンとお食事の良いにおいが漂ってくる。
左側通路には、瑠風輝氏と夢白あや嬢。
右側通路には、鷹翔千空氏と天彩峰里嬢。
それぞれがカートをひいて、にこやかに出てくる(想像しただけでかわいい😍)
食前酒には、テキーラをベースにした、ラスベガス・カクテルが配られる。
お酒が飲めないひとには、おいしいノンアルコールカクテルも用意されている。
機内食は「レストラン フェリエ」または「和食のくすのき」監修メニューから、お好きなものをチョイス。
(*画像はイメージです)
食後には「ジェラートショップ ボヌール」より、次回公演にさきがけた(酢)デザートが提供される。
ギャレー横に設けられたセクシーカウンターでは、宙組にまつわるお酒が堪能できる。
【メニューの一例】
アルザワから取りよせたワイン(毒は盛られていない)
最高級のキャンティ(メディチ家ゆかりのワイン)
香り高いウォッカ(ロマノフの残り火)
バルセロナ名物、フレッシュなサングリア(追記)
スモーキーなフレーバーのウィスキー(追記)
ほろよい気分で食事を終えたら、機内エンターテインメントをチェック。
個人用スクリーンでは、タカラヅカ オンデマンドとスカイステージの両方が視聴できるが、頭上のスクリーンにコックピットのようすが映し出されているので、目がふたつではとうてい足りない。
また、備えつけのリモコンを使って、公演のタイトルを冠したRPGが楽しめる。
もちろん、組子本人たちが登場する本格的なものだ。
「ユーリ、おまえ、ほんとうに俺の妻にならないか?」
➡︎YES
⬅︎NO
あなたなら、どっちを選ぶ?(もちろんイエスに決まってる😂)
そうこうしているうちに、飛行時間もあとわずか。
真風と星風。
ふたつの追い風の影響をうけ、飛行機は速度を増す。
そして予定時刻よりも早く、無事ラスベガスに到着。
「これをもちまして、本日のフライトは終了いたしました。お忘れ物のないよう、お気をつけてお帰りください。またのご搭乗を、お待ち申し上げております」
お別れソング「すみれの花咲く頃」を聴きながら、乗客は先に降機。
興奮冷めやらぬまま、ゲートで出待ち。
ほどなく、ANAの制服に身を包んだコックピットクルーが出てくる。
肩と腕の部分についている、金のストライプがまぶしい。
機長の真風さんは、4本線。
芹香さんと愛月さんは、3本線。
帽子をとって、カッコよくギャラリーにあいさつをする3人。
キャビンクルーも、にこやかにあとにつづく。
その日のツイッターとインスタは、とんでもないことになるでしょうね。
宝塚コラボフライト考察
スターウォーズヲタを揶揄していたけれど。
自分の好きなものと航空会社がコラボすると、こんなに楽しいんだってわかった。
妄想レベルでここまで楽しめちゃうわたしは、タカラヅカフライトが実現したらどうなるんだろう。
きっとアクリルスタンドや公演グッズと一緒に、紙コップの写真バシャバシャ撮ってるだろうな(うん、ぜったい撮ってる😂)
宙組カラーの、淡いパープルのワンピースなんか着ちゃって。
わたしもCAの顔なんかそっちのけで、エプロンの写真撮るんだぁ。
ああ〜もう。
夢(妄想)は広がるばかり。
全日空様。
つぎはどうかぜひ。
宝塚歌劇団様とのコラボフライトをお願いします🙇♀️
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