わが社のミセスパイロット【ヨーロッパ系エアラインの女性機長】
昨日乗務したフライトの機長は女性。
これまで、女性の「操縦士」には何人か会ったことがあるが、女性の「機長」は珍しい。
現在、わが社でインターコンチネンタルを飛んでいる女性機長は、わずか7名と少ない。
ドメスティック(国内線)やインターヨーロッパには数十名の女性機長が在籍しているが、長距離便になるとやはり男性社会なのだなと思う。
キャプテン・シャーロットは言った。
「パイロットの仕事は、意外と女性向きなのよ」
華奢な体。
さえざえとした白い肌。
聡明であることがひと目でわかる、澄んだ青い瞳。
長い髪をきりりと一つに束ねたその姿は、まるで往年の映画女優のようだ。
「細かいところに気がつかないといけないでしょ」
たしかに。
コックピットには、ナンジャコリャというくらい、難しそうな計器がたくさんある。
それらすべてに気を配って、膨大な量のタスクをこなす。
コツコツと抜かりなく物事を進めていく作業は、ある意味女性向きだと言えるかもしれない。
「それに、力仕事もないしね!」
そう言ってお茶目な笑顔を見せるシャーロット機長に、わたしは虜になってしまった。
上品でフェミニンな顔立ちなのに、4本線の入ったイカツイ肩章を身につけている。
わたしが「あなたはパイロットというよりも女優さんみたい」と言うと、
「あらやだ。これからはもっと日本路線を飛ばないといけないわね!」と言って笑った。
フライト中に入ってくる機長アナウンスも、いつもは男性の声なので、少し不思議な感じがする。
慈愛に満ちた、それでいて頼もしい声を聞くと、とても誇らしい気分になる。
フライトの終わりに、「あなたを誇りに思います」と告げると、
「わたしもよ」と答えてくれた。
近いうちに、ふたたび彼女のもとで働ける日を楽しみにしている。
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