宝塚デビュタントをエスコートする古参ファンのひとりごと

宝塚デビュタントをエスコートする古参ファンのひとりごと

 

写真は『双曲線上のカルテ』のときのもの


今週末、東京宝塚劇場に行く。

観るのは、雪組公演『ボイルド・ドイル・オンザ・トイル・トレイル/フローズン・ホリデイ』

2023年8月の星組『1789バスティーユの恋人たち』以来だから、じつに半年ぶり。

宝塚歌劇自体は同年9月の雪組、日本青年館で行われた和希そらさん主演『双曲線上のカルテ』が最後だが、本公演は久しぶりだ。

 

今回は、つねづねわたしと一緒に宝塚が観たいと言ってくれていた友だちを連れていく予定。

「えっ!本当にわたしでいいの?」

宝塚にずっと興味はあったけど、どうやったら観れるのかわからなかったという彼女。

筋金入りのヅカファンであるわたしから誘われたのが本当に嬉しかったようだ。

 

宝塚の劇場に行ったことのない人たちが口をそろえて言うのが、お作法がわからなくて不安だということ。

一つ一つの芸術…否、なにも芸術だけに限らず、この世におけるありとあらゆる世界(界隈)では、その世界(界隈)だけが有する目に見えないルールが存在する。

 

たとえば幕間に特定のジェンヌさんの批判をしないとか、わたしたちからすると『肌に刻み込まれたもの』でも、はじめての人にとっては気がつかないことも多い。

すべてのタカラジェンヌさんは、かならず誰かの大切なご贔屓である。

劇場内、もっというとファンの活動範囲である劇場周辺施設においては、このことを念頭において行動すべきだ。

壁に耳あり障子に目あり。

ロビーや客席、お手洗い、また日比谷シャンテやミッドタウン内での発言には、ちょっとした配慮が必要。

また、上演中の拍手のタイミングなども独特なので、こればっかりは実地で学んでもらうしかない。

 

ふかふかの赤い絨毯、豪華なシャンデリアに煌めくミラーボール。

オーケストラの奏でる美しい音楽と、客席で共有する心踊る一体感。

まだ見ぬ劇場の内部で起こる、奇跡のような瞬間に想いを馳せながら。

タカラヅカデビューのその日を、指折り数えている彼女。

 

宝塚のことをまだ何も知らない、まっさらな気持ちの人と一緒に観劇できるのは、今のわたしにとってあるいは救いとなるかもしれない。

 

彼女、友人E子は大阪時代の会社の同期。

わたしの黒歴史である某コンピューター会社で出会った。

なぜ黒歴史かというと、わたしがあまりにもプログラマーとしてのセンスがなく、毎日劣等感とともに過ごしていたからだ。

 

しかしこの経験があったおかげで、自分が本当にやりたいことが見つかった。

在職中の半年間は死ぬほどつらかったけど、その後ずっと好きな接客業に携われているのだから、あれも大事な勉強だ。

 

www.ciel114.com

 

E子も同社を退職後、別の職業を志した。

彼女のほうもまったく違う分野で、なんと医師の道。

30代後半で医学部を卒業、それも首席で、だ。

受験勉強はたったの1年だけだったというから、どうかしている。

現在は患者さんから愛される、可愛くて心優しい先生だ。

 

出会ってから20年以上経って、なぜあの会社を辞めたかについて真面目に話しあったことがある。

それまで会社の愚痴ばかり言っていたから、みんな同じ理由でやめたのかと思いきや。

仕事ができなくて逃げ出したのは、わたしだけだった😂

ほかの同期の退職理由が、業務が簡単で単調すぎてつまらなかったからと知り、わたしは心底驚いたものだ。

世の中には、同じ物事でも、人によって受け止め方がまったく異なる人たちがいるんだなと。

でも、そういう価値観の違いを超えて仲良くいられるのも、人間の面白いところだと思う。

 

宝塚ファンには医療関係者が多い。

お医者さん、看護師さん、薬剤師さん、ケアマネージャーさん、介護士さん、病院のスタッフさんなど。

統計的に、E子にもハマる可能性がじゅうぶんある。

わたしはこの週末、熟練のホタルさんのように、彼女の足元を照らしてあげようと思う。

 

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