CAはフライト中、機内で何を食べているか
空の旅の楽しみのひとつ、機内食。
メインディッシュにサラダにパン、デザートにコーヒー、紅茶。
乗客用の食事はわかるけど、
「CAは何を食べているのだろう?」
と思ったことはありませんか?
今日は、わたしたちが飛行機のなかで食べているもの、そして機内食にまつわる印象的なエピソードなどをご紹介します。
クルーミール
機内にはクルーミールと呼ばれる、わたしたち専用の食事が搭載されている。
機長以下全員の食事が、ひとつのカートにまとめて入っている。
わが社では、食べても食べなくてもミール代が天引きされることになっている。
その内容は、小分けになったサラダとメインディッシュ。
選べるメイン
- フィッシュ(白身魚、サーモンなど)
- ミート(牛肉、鶏肉、豚肉、羊肉、ときどき鹿、鴨、七面鳥)
- ベジタリアン(パスタ、クスクス、豆類、謎の穀物、謎のお野菜)
余ったパッセンジャーミール
サービス終了後に、余った食事も自由に食べていいので、狙っていたものが残っていると嬉しくなる。
スチュワードのなかには、余った食材を最大限に活用して、同僚のために簡単なサラダなどを作ってくれるひともいる。
ハニーマスタードサラダ・スチュワード風
ルッコラたっぷりのグリーンサラダを、バルサミコオイルにマスタード、はちみつに塩胡椒でアクセントをつけたドレッシングで和えて、カクテルスナックの残り物のミックスナッツを砕いた香ばしいトッピングをオン。
お箸ならぬ、フォークが止まらない!
お客さまにお出ししても遜色ない逸品だと思うが、メニューに書かれているものではないので、わたしたちだけでいただく。
お仕着せの機内食よりおいしいんじゃないかと思うくらい、クオリティが高い。
レストランの裏メニューのようで、なんだか得をした気分になる。
機内食を、もっとおいしくする方法
機内食は単調な味付けが多いので、マイタバスコやマイ七味、マイ柚子ごしょうなどを携帯しているひともいる。
ときどき七味や柚子ごしょうを借りたりするが、逆輸入みたいで不思議な気持ち。
デザートも、それぞれに有り物を使って自分流にアレンジする。
ケーキやフルーツにアイスクリームを添えたり、チョコレートやベリーのソースを加えたりして、即席オリジナルスイーツを作って楽しんでいる。
長い飛行時間のなか、つかの間のほっこりタイムだ。
パイロットミール
コックピットクルーの食事を用意する
ピンポン♪
コックピットからギャレー(台所)に、インターフォンが鳴る。
「今日は何があるかな?」
「鶏肉とお魚よ」
「じゃあ鶏肉がいいな」
「オッケー」
などという会話のあと、特製トレーを作成する。
人気者のパイロットには、チーズの量やデザートの種類が多かったりするので、あっちのひとはわかりやすいなぁと思う(笑)
操縦室まで運ぶ
ほかの皆から何時間も隔離された空間にいるので、行くと大歓迎される。
冬にオーロラが見えるときなんかは、解説付きで180度のパノラマを楽しめる。
お客さまがいるので長居はできないが、たいせつなコミュニケーションの時間だ。
最近のヒット、プリンセスケーキ
前記事で、スウェーデン名物のプリンセスケーキについて書いた。
📕 詳しくはこちらの記事をどうぞ。
厳密に言うと、正式には黄緑色のものをプリンセスケーキと呼ぶらしい。
先日、またこのケーキが載っていたのでひとつ頂いたのだが、おなじギャレーで働いたスチュワードのアレキサンダーは、これを4つも食べていた!
ふたつまでならなんとなく分かるけど、4つって(^◇^;)
しかしまだ若いせいか、ちっともオナカは出ていない。
スラリと背が高く、骨と筋肉だけでできているような、いわば「頑丈なマッチ棒」みたいな身体。
空港に到着すると、全員が集まって一緒に移動するのだが、わたしはみんなにアレキサンダーの話をした。
あとから出てきた彼は、
「ぼくがケーキを4つ食べたことバラしたでしょ!」
と言って真っ赤になっていた。
その様子を見た恰幅のいいクルーたちが、自分たちのお腹をポンポンと叩いて、
「心配しなくても、数年後はアレキサンダーも僕たちみたいになってるさ!」
と言ったので、皆はいっせいに笑った。
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