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劇団四季ミュージカル「アラジン」感想①〈宝塚と四季の違いを比較〉

劇団四季ミュージカル「アラジン」感想①〈宝塚と四季の違いを比較〉

 

 

 

宝塚歌劇一辺倒なわたしが、劇団四季を観に行ったいきさつ

 

2022年7月27日。マチネ。

劇団四季の人気ミュージカル「アラジン」を観に行ってきた。

夏休みということもあり、汐留の電通四季劇場[海]は、親子連れでいっぱい。

ディズニープリンセスの衣装を着た姉妹や、小さな坊やたち。

わたしのホームシアターである東京宝塚劇場とは、少し客層が違う。

 

友達から連絡があったのは、公演日の5日前。

小学四年生の息子くんと一緒に観劇するつもりが、

「ぼく、ミュージカルなんてぜったいにヤダ!!」

母の説得もむなしく、断固として同行を拒否されたらしい。

困り果てた彼女は、わたしに白羽の矢を立てた。

観劇好きなわたしにとっては、願ってもない話。

二つ返事どころか、五つ返事?くらいの勢いで誘いに乗った。

 

電通四季劇場[海]へのアクセス

 

最寄り駅は、都営地下鉄大江戸線の汐留駅。

5・6出口から、歩いてたったの約一分。

大同生命ミュージカルシアター・電通四季劇場[海]は、カレッタ汐留の一階にある。

 

ここには以前「マンマミーア」や「アイーダ」を観にきたことがあるが、当時とちっとも変わっていない。

物語の世界観をイメージした長い階段を登るたびに、胸のときめきも高鳴っていく。

 

一階前方席、オペラグラスは必要?

 

わたしたちの座席は、前から9列目。

慣例によりオペラグラスを持参したが、その必要はまったくなかった。

宝塚と違って、細部を確認する案件がないということもあるが。

ここでは全体を見ることに集中したほうがずっといいと感じた。

魔法のじゅうたんの場面はとりわけ圧巻で、本当に星空を飛んでいるようだった。

あれはオペラなしで体感すべき。

 

舞台芸術の味わいかた

 

わたしを含め、いわば「プロ観客」(同義語:オタク)は、舞台の楽しみかたを知っている。

だが見慣れない人たちにとっては、どこをどう見ればいいのか戸惑うこともあると思う。

まだストーリーに入り込めてもいないのに、とつぜんキャストが歌ったり踊ったりする。

なぜ今、ここでこうなる⁉️

(自分が出ている訳ではないのに)なんだかちょっと恥ずかしい💦

そんな違和感と折り合っているうちに、だんだんと疲れてきて。

「もう、ミュージカルはいいかな」となってしまう。

そんな話をよく耳にする。

この傾向は、とくに男性に多く見られる。

 

宝塚なんかは、観る側にもある種の「プロ根性」が必要とされる。

トップスター・二番手・男役・娘役などに分類される、独特のスター制度。

花組・月組・雪組・星組・宙組・専科という、組による違い。

◯◯期生、という入団同期の繋がり。

銀橋・大階段・歌唱指導・大羽根・ナイアガラ・盆・セリなどのヅカ用語。

このほかにも『すみれコード』と呼ばれる不文律や、各種作法が存在する。

ファンはこれらの一つ一つを、長い時間をかけて履修していく。

なぜって?

それは宝塚固有のシステムを知ることで、愛と理解がさらに深まるからである。

 

そこへいくと劇団四季は、前情報なしでも誰もが楽しめるようになっている。

作品主義の劇団四季。

トップスター制度や、組(あるいは班)のようなグループが存在せず、演目ごとにオーディションが行われるという。

完成された役者だけが舞台に立つので、実力のばらつきが少ないと言われている。

 

劇団四季の特徴と宝塚との違い

 

それ以外に、わたしが個人的に感じた劇団四季の特徴をお伝えしよう。

 

 

①メッセージ性が明確

 

作品の伝えたいイメージが明白。

登場人物のセリフや行動を通して、親子の絆・権力のありか・友情や愛といった概念がストレートに伝わってくる。

それぞれの登場人物が己の夢や欲望に忠実なので、宝塚や東宝に登場するような「こじらせキャラ」的な役どころがなさそうだと感じた。

 

②視覚に訴えるものがシンプル

 

基本的に、主人公の動きさえ追っていれば、ストーリー展開についていける。

人間関係や歴史的背景なども、一目瞭然にわかる演出がなされている。

宝塚は衣装も小道具も細部にこだわって作られているので、もう一度見てみたいというモチベーションが高くなる傾向がある。

 

③聞き取りやすい発声方法「母音法」

 

一音一音を切ってはっきりと発音するので、明瞭で美しく響く。

感情が昂って声が乱れたり、くぐもったりしないから、話の筋を見失うことがない。

宝塚や東宝のお芝居では、ときおりセリフを聞き逃してしまうことがある。

それは、より実際の話し言葉に近いからだと思う。

どちらが良いとは言えない。

こればかりは、好みの問題だと思う。

 

④「ええもん」と「悪もん」のステレオタイプな役割分担

 

ディズニーの世界観と共通すると思ったのが、ヒーローと悪役のクリアな境界線。

ライバルや敵を悪の象徴として描くことにより、観客は主人公に感情移入する。

これは人が抱く共通の倫理観や常識といったものを呼び起こす効果がある。

対する宝塚には、完全なる悪党というのが存在しない。

相対する二つの人物および勢力を、ともに魅力的に演出することに起因していると思う。

役よりもまず「タカラジェンヌ」という価値が前にくるから、嫌悪感や敵意を抱きにくいというのもあるだろう。

お芝居の世界(プロレス含む)では、嫌われれば嫌われるほど演技力が高いとされているが、宝塚に限って言えば、その法則は成り立たないと思う。

 

劇団四季は、こんな人におすすめ

 

  • 初めて舞台を観る、老若男女すべての人
  • ダイレクトに心に響く、いわゆる名作ミュージカルを観たい人
  • お芝居はどうも眠くなるという人
  • 歌・踊り・演技に対して、個性よりもスキルの質を重視する人
  • ご贔屓を追いかけたり、オタク化を望まない人(保証は致しかねますが…)
  • スターを育てたり応援するより、評判の良い完成した役者だけが見たい人
  • 普遍的なテーマを求める人

 

宝塚至上主義のわたしだが、劇団四季ミュージカル「アラジン」には心が震えるほどの感動を覚えた。

魔法は、いまも続いている。

演目の内容については、次回の記事で詳しく記したいと思う。

 

アラジン (字幕版)

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