即位の礼を目前に控えて【平成から令和へ】
先日のフライトでのこと。
かつて某有名大学で教鞭をとられていたという、ある外国人のお客さまをお乗せした。
フランス系のカナダ人であるその方は、とてもすてきな老紳士で、わたしの「なんちゃってフランス語」にも、ていねいに対応してくださった。
お話によると、先生はご在職中、浩宮さまに英語の個人レッスンをされていたという。
もちろん、美智子さまにも、何度かお目通りをされたそうだ。
…ということは!
わたしは間接的に、天皇陛下ならびに上皇后さまと、おことばを交わすことができたのだ!(強引)
浩宮さまは、ご人格、英語力ともに、本当にすばらしいお方だとおっしゃっていた。
10月22日に行われる、「ソクイノレイ」(フランス語風の発音で)についても、誇らしげに話してくださった。
陛下のことを、お若いころから存じ上げられている先生は、どのようなお気持ちでその日をお迎えになるのだろうか。
この仕事をしていると、皇族の方々、各国の要人、世界的なスターやトップアスリートなど、ふつうではお目にかかれないような人々に会うことができる。
わたしも人間なので、そういったお客さまに出会うと、浮き足立った気持ちになることだってある。
だが、いちばん大切なのは、すべてのお客さまに快適な空の旅をお届けすること。
We are all equal.(わたしたちはみな平等)
だから、高貴な身分の方々に敬意は払っても、それは他の人たちに対するものとなんら変わりはないと、ともに働くヨーロッパのクルーから教わった。
しかし、即位の礼を明日に控えた今日。
日本人として、厳かな気持ちにならないではいられない。
天皇陛下も皇后陛下も、わたしたちと同じ血の通った人間。
明日以降に開かれるさまざまな儀式が、滞りなく執り行われることを、だれよりも案じていらっしゃることだろう。
どうか、すべての行事が、つつがなく終了しますように。
そして新しい時代が、差別や争いのない、平和な世の中となりますよう。
日本国民の一人として、心の底から願う。
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