ヨーロッパで根強い人気【ニッポンのコケシドール】
「ヨーロッパにコケシブームがきている」
と過去記事に書いた。
一過性のもので、さすがにもう廃れているだろうと思っていたら、違った。
コケシブームは衰えるどころか、むしろ定着したといってもいいだろう。
コケシラバーズたちは、日本に来るたび少しずつ買い集め、自宅に飾ったり、人にプレゼントしたりして楽しんでいる。
それらは新品ではなく、蚤の市のようなところで手に入るものだ。
日本人形を飾るという文化がうすれている昨今、こけしは「骨董品」としてリサイクルに出されているようだ。
海を越えて活躍する可愛いこけし人形
先日の成田行きのフライトでのこと。
フィンランド人のピアは、着いたらすぐ「アンティークショップ」に行くと言っていた。
なにを買うのと聞いたら、「コケシドール」だと言う。
出た!
ここにもコケシラバー!
「ワッツコケーシ?」(こけしとは?)
はじめてその人形の名を耳にしたライラが、ほかのみんなに質問をした。
「A doll with no arms, no legs(手足のない人形)よ!」
ベアーテが、こけしの真似をしながら答えた。
ライラが怪訝な顔をしたのを、わたしは見逃さなかった。
たしかにそこだけ聞くと、みんながなぜそんなものに夢中になっているのか謎だと思う。
わたしは、「And no smile (無表情)」とつけ加えた。
ヨーロッパの家屋における、こけし人形の飾り方
口で説明したってわからないと言って、ピアは自分のスマホを取り出してきた。
そのアルバムに入っていた写真がこちら。
なんて素敵なんでしょう!
本来表情のないこけしさんたちが、ほほえんでいるように見える。
日本家屋におけるこけし人形は、どちらかというと暗めの和室に飾られていることが多い。
だが彼らの場合、こういった窓辺や、屋外にも飾るのだという。
こけしを庭に飾るなんて発想がなかったわたしには、とても斬新なアイデアに思えた。
伝統文化を大切に
彼らは言う。
人形というのは、古ければ古いほど味があっていいのだと。
新しいもの好きな日本人からすると、不思議な感じがしないでもない。
だが、古き良きものを大事に受け継いでいく精神を、ヨーロッパの人たちから学ぶ機会は多い。
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