宝塚ファンにも そうでない人にも!ぜったいに読んでほしい傑作漫画【篠原千絵氏原作/天は赤い河のほとり】
ここのところ、古代ヒッタイト帝国に入りびたりだ。
宝塚歌劇 宙組公演「天は赤い河のほとり」を観劇してからというもの。
その主題歌が、アタマから離れない。
2度目の観劇後には、まんまとカスタマイズCDを買ってしまった。
3曲しか入っていないのに、エンドレスでリピート。
聴くたびに、舞台の感動がよみがえる。
わきたつ心は古代オリエントに飛び、物語のなかに何度もいざなわれる。
思えば、もうこのあたりから病に冒されていたのだろう。
お芝居に魅せられて、原作を読みたくなったと以前に記した。
いても立ってもいられず、マンガ喫茶デビューしたことも明かした。
結局、全巻セット購入を決意し、楽天カードに申込をしたところで話は終わっている。
今回は、この一連の行動が、どのような着地点をもって現在に至るかについて語る。
あの後、1週間程度でクレジットカードが届いた。
さっそくオンラインで楽天市場の本屋へ行き、「天河」文庫版全16巻をポチリ。
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翌々日には、手元にやってきた。
早〜い!
とてもキレイに梱包してある。
透明なブックカバーもついていて、親切この上ない。
はやる気持ちでページをめくる。
「こ…これは…」
なにかに取り憑かれたかのように、心がざわつく。
この気持ち、たしか以前にも味わったことがある…
「そうだ!」
「ベルサイユのばら」の原作を、はじめて読んだときの衝撃に似ているのだ。
赤い糸ならぬ、赤い河に導かれた運命。
驚きととまどいが、さざなみのように交互に押し寄せてくる。
もう、あれほど心焦がされる名作には出会えないと思っていた。
でも神はわたしに、ふたたび甘く切ない悦びを与えてくださった。
こんなに素晴らしい作品を知らずに死ななくて、本当に良かった。
マンガ喫茶などでお茶を濁そうとした、あの日の自分が憎い。
これは永久保存版として、死ぬまで手元に置いておく。
わたしが宝塚ファンになったきっかけ【ベルサイユのばら】
わたしがはじめて「ベルばら」を読んだのは、オスカルさまの享年と同じ。
(オスカルは、33歳のときにフランス革命で命を落とす)
子どものころ、コミックも出版されていたし、アニメも放映されていた。
宝塚歌劇では今なお「宝」と呼ばれ、上演されつづけている演目。
それなのに、まったく興味を示さないまま大人になってしまった。
ところが、結婚し主婦となり。
生協パルシステムのカタログで、愛蔵版を見かけたのが引き金となった。
(なにかとわたしの運命のカギを握る生協さん)
日本を代表する少女漫画を知らないのは恥だと、大人買いしてステイ先に持ちこんだ。
長編だし、ちびりちびりやろうと思ったのがまちがいだった。
おもしろすぎて、我を忘れる感覚。
まるで落雷にでもあったみたいな、痺れるような喜びに満たされる。
この作品を侮っていた、あの日の自分を憎む。
先を先をと渇望し、最後のページまで渇きが癒されない自分がこわかった。
戦闘でアンドレが亡くなるシーンでは、オスカルとともに、わたしも死んだ…
(つぎの日ちゃんとフライトしたけど)
ヨーロッパの空の下。
ホテルの部屋でひとり、おいおいと声をあげて泣いた。
こちらは「天河」とアプローチが逆で、そこから宝塚に入れあげることになる。
ひとりのヅカヲタが、産声をあげた瞬間であった。
【天は赤い河のほとり】をオススメする理由
さて、話を「天河」に戻そう。
この作品は、とにかく忙しい。
物語の伏線がとても緻密で
「こことここが繋がってたんだ!」
などと、胸のすく思いをしたかと思えば
「えっ!そうなっちゃうの!」
という、まさかの展開が待っている。
テニスでいうと、まさに「振り回し」練習。
わたしは、あっちこっち振り回されてヘトヘトになりながらも、恍惚とした疲労感に包まれていた。
完読したいまも、うしさんのように感動を反すうして余韻に浸っている。
ワインと同じで、良質なエンターテイメントはアフターが長いのだ。
歴史とアクションとロマンスが織りなす、二次元最高のリアリティ。
宝塚ファンのかたなら、いますぐにでも読んでほしい。
宝塚ファンでないかたにも、心の底からおすすめしたい傑作だ。
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