2018年 宝塚歌劇 宙組公演【天は赤い河のほとり】感想
『赤い河のほとりで、シトラスの風に吹かれて』
などと演目を冠したタイトルをつけておきながら、その内容についてはいっさい触れなかった前記事。
グーグルやヤフーなど検索エンジンからレビュー目当てにいらした方々には「ナンジャコリャー!」とちゃぶ台をひっくり返させてしまった❓と思うので、今回はちゃんとした感想を書くことにする。
まだ舞台をご覧になっていない方には、ネタバレを含むやもしれぬので、ご注意いただきたい←カイル風に読んでね(≧∇≦)💕
ミュージカル 【天は赤い河のほとり】あらすじと見どころ
現代から古代オリエントにタイムスリップした、女子高生ユーリ。
次期ヒッタイト国王との呼び声高い、皇太子カイルと出会う。
最初は反発しつつも、ともに過ごしその人格を知るにつれ、彼を愛するようになる。
その時代を生きる人々との触れ合いを通して、しだいにその生き方を変えていく。
ひとりの少女が国を背負う存在となるまでのエピソードを描いた、壮大な物語だ。
歴女のハートをくすぐる時代設定。
息もつかせぬストーリー展開。
ドラマティックで華やかなコスチューム。
時空を超えた、ヒーローとヒロインの愛。
これだけでもう、ごはん三、四杯はイケてしまうかんじだが(?)
宝塚歌劇の醍醐味ともいうべきトップコンビが…
良かったー♡♡♡
トップスター・真風涼帆さん(カイル)
主演男役・真風涼帆氏は、これがお披露目公演とは思えないほどのスケールの大きさで客席を魅了した。
これまでにも、フランス国王ルイ14世や、オーストリア皇帝フランツ・ヨーゼフなど、なにかと国を背負う立場の役が多かった彼(彼女)
このたびの皇子っぷりも、一朝一夕に完成したものではないと納得させるに十分な余裕を見せていた。
なにより真風氏自身が、生まれながらにして頂点に立つ種類の人間であるため、ノブレス・オブリージュを「演じる」必要性のないことが、王者の風格が滲み出る最大の要因だったと考えられる。
特筆すべきは、ほんものの男を思わせる色気。
わたしは、フェアリータイプとか言われる性別不詳の色っぽさよりも、完全に「漢(おとこ)」のダンディズムを擁した男役が好み。
彼(彼女)の、作り物でないダンディズムには、自然と惹きつけられるものがある。
トップ娘役・星風まどかさん(ユーリ)
対する相手役の星風まどか嬢は、少女漫画の世界から飛び出してきたような無垢な可憐さ。
わたしは『天は赤い河のほとり』の原作を読んでいないが、原作のユーリを容易に想像できるキャラの立ちかたである。
原作漫画をオトナ買いしたくなったのも、彼女の演じるユーリが魅力的だったからだ。
タカラヅカ作品には珍しい、ボーイッシュでショートカットのヒロイン。
戦で民衆を率いるなど、宝塚の娘役らしからぬ場面でも、みずみずしい演技で空気を大きく動かした。
人気少女漫画にみられる、ヒロインのモテっぷり
王道といわれる少女漫画の主人公は、モテる。
ヒーローにもヒール(敵役)にも、とにかくモテる。
ユーリも例にもれず、カイルだけでなくエジプトの将軍ラムセスを筆頭に、ルサファその他大勢からの求愛を受ける。
この漫画と似ている「王家の紋章」のキャロルも、連れ去られる先々でMMK(モテてモテて困るの略)だし。
「ベルサイユのばら」のオスカルも「キャンディ・キャンディ」のキャンディも。
登場する男子キャラ、それこそ全員から、モテてモテてモテまくる。
星風まどかさんは容姿も声も愛くるしくて、非常に説得力のあるキャスティングだったと思う。
伝説の少女漫画【キャンディ・キャンディ】上演希望
そういえば「ベルばら」は、宝塚でなんども上演されているけれど。
「キャンディ・キャンディ」が上演されるという話は聞いたことがない。
アンソニー、テリィ、ステアにアーチー。
そして、悪役ニールにまで愛されてしまうキャンディ。
宝塚にぴったりのお話だと思うのだが、どうだろう。
作者の先生方の間で、わたしたちには知りえない、難しい問題があるみたいだけど。
あんなに素晴らしい名作が、このまま眠っているのは、とてももったいない。
子どものころ、本当に大好きで、毎月「なかよし」を購読していた、
アニメが放送される金曜日の夜を、毎週楽しみにしていた。
キャンディに影響を受けた昭和の少女の数は、ベルばらのそれに匹敵すると思う。
もし叶うなら、いつか宝塚の舞台で観てみたいな。
もちろん、この宙組で!
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