ミセスCAのオン&オフ日誌

ヨーロッパ系航空会社CAのブログ。 フライトエピソードをはじめ、オフの日のあれこれ(おもに宝塚歌劇)について綴っています。

酸いも甘いも辛いも〜人生色々〜

酸いも甘いも辛いも

 

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人生は、サクマドロップのカンカンと同じ。

だれの缶にも、からいハッカが入ってる。

他人の缶には入ってないように見えるけど、絶対に入ってるんや。

 

Aちゃんとの出会い

 

わたしの同期であり、人生の師とも呼べる、Aちゃん。

道に迷ったとき、いつも足元を照らしてくれる。

飛行機の非常口を示す、誘導灯のような彼女と出会ったのは、いまから20年以上も前のこと。 

 

最初の出会いは、CA採用試験の面接会場である、都内某ホテルのお化粧室だった。

 

すごく背が高くて、ボーイッシュで溌剌とした雰囲気。

ロングヘアーをひとつにまとめた受験生が多いなか、ショートカットの彼女はひときわ目立っていた。

彼女のまわりだけ、まるで光が差しているような、圧倒的な存在感を放つ娘だった。

 

すでにどこかのエアラインで働いているような印象を受けたが、その推測は当たっていた。

超有名アジア系航空会社の新人訓練を主席で修了したと、あとから聞いた。

 

そこで何を話したのかは忘れてしまったが、その後いっしょに暮らすことになるとは思ってもみなかった。

 

新人時代の共同生活

 

ガラッ(ふすまを開ける音)

 

「ショクン!朝やで〜!起きや〜! 」

 

ムニャムニャ😪

フライトの翌日くらい、ゆっくり寝かせてよ〜。

しかも「諸君」って…わたししかいないし。

 

でも、Aちゃんは容赦ない。 

 

「いつまで寝てんねん!お布団干すから、どきや〜 」

 

(わたしのお布団なんだからほっといてーーーーー!)

 

と抗議する間もなく、ゴロゴローーーと布団からひっぺがされる。 

 

自分のフライトの翌日だって、めちゃめちゃ早起きだし。

疲労ニモマケズ、時差ボケニモマケズ。

このひと、いったい何なんだろう。 

 

寝ぼけマナコで、ふらふらとキッチンに出ていく。

不服タラタラなわたしの目に飛び込んでくるのは、あったか〜い朝ごはん。

ツンデレって、こういうひとのことをいうんだと思う。

 

その年に採用された6人のうち、東京在住でなかったのは、わたしたち2人だけ。

新人訓練終了後、世田谷にある2DKのマンションをシェアして住むことになった。

 

外国暮らしが長かった彼女は、東京に住めてうれしいと言った。

かたや、それまで大阪を離れたことすらなかったわたしは、すっかりホームシックに陥っていた。

 

和室に置かれた小さなテレビから「大阪で生まれた女」が流れてくると、すすり泣いている自分がいた。

 

大阪で生まれた女やさかい

東京へはようついていかん 

 

それでもなんとか、ここまで頑張ってこられたのは、Aちゃんはじめ同期のみんなのおかげだと心から思う。 

 

明け方まで悩みを相談したり。

夜通しいっしょに遊んだり。

失恋して、泣いて帰ってきた彼女を慰めたこともあった。

短いあいだだったが、20代前半の多感な時期を、密に共有した。 

 

人生はサクマドロップの缶

 

現在はそれぞれ結婚し、別々のところに住んでいるけれど、いまでも壁にぶち当たると彼女の助言を求める。

 

人生は、ドロップの缶と同じ

 

同期のだれかがスランプに陥ったとき、Aちゃんはかならずこう言う。 

 

好きなドロップばっかり食べてたら、きらいなハッカが残るよなぁ。

でも、ハッカも食べんとアカンねん。

つぎはちがう味が出てくるんやから、食べ終わるのを待つだけや。

  

ドロップの味わいかた

 

ハッカが出てきたからといって、よけておくのではない。

ハッカをなめている自分を、ただ受け入れるだけなのだ。 

 

いずれ飴は、とけてなくなる。

悲しみや苦しみが、未来永劫つづかないのと同じように。 

 

それに気づくことができる人間は強い。

いまを嘆くだけでなく、その先にあるチャンスを逃さないから。 

 

ひとりにひとつしか与えられない、人生という小さな缶詰め。

色とりどりの輝く瞬間を、味わって生きよう。 

 

からいと思っていたハッカさえ、意外と甘く感じるかもしれない。

そうすれば、人生は二度美味しい。 

 

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