酸いも甘いも辛いも〜人生色々〜
人生は、サクマドロップのカンカンと同じ。
だれの缶にも、からいハッカが入ってる。
他人の缶には入ってないように見えるけど、絶対に入ってるんや。
【ポジティブの権化】同期のAちゃんとの出会い
わたしの会社の同期であり、人生の師とも呼べるAちゃん。
道に迷ったとき、いつも足元を照らしてくれる。
飛行機の非常口を示す誘導灯のような彼女と出会ったのは、いまから20年以上も前のこと。
最初の出会いは、CA採用試験の面接会場である、都内某ホテルのお化粧室。
すごく背が高くて、ボーイッシュで溌剌とした雰囲気。
明るい色のスカーフに負けないくらいの華やかな笑顔。
ロングヘアーをひとつにまとめた受験生が多いなか、ショートカットの彼女はひときわ目立っていた。
彼女のまわりだけ、まるで光が差しているような、圧倒的な存在感を放つ娘だった。
すでにどこかのエアラインで働いているような印象を受けたが、その推測は当たっていた。
超有名アジア系航空会社の新人訓練を主席で修了したと、あとから聞いた。
そこで何を話したのかは忘れてしまったが、その後いっしょに暮らすことになるとは思ってもみなかった。
新人時代の共同生活@千歳船橋
ガラッ(ふすまを開ける音)
「ショクン!朝やで〜!起きや〜! 」
ムニャムニャ😪
フライトの翌日くらい、ゆっくり寝かせてよ〜。
しかも「諸君」って…わたし一人しかいないし。
でもAちゃんは容赦ない。
「いつまで寝てんねん!お布団干すから、どきや〜 」
(わたしのお布団なんだからほっといてーーーーー!)
と抗議する間もなく、ゴロゴローーーと布団からひっぺがされる(まるでマンガ)
自分のフライトの翌日だって、めちゃめちゃ早起きだし。
疲労ニモマケズ、時差ボケニモマケズ。
このひと、いったい何なんだろう。
寝ぼけマナコで、ふらふらとキッチンに出ていく。
不満タラタラなわたしの目に飛び込んでくるのは、あったか〜い朝ごはん。
「冷めへんうちに、はよ食べ!」
ツンデレって、こういうひとのことをいうんだと思う。
その年に採用された6人のうち。
関東在住でなかったのは、わたしたち2人だけ。
新人訓練終了後、世田谷にある2DKのマンションをシェアして住むことになった。
外国暮らしが長かった彼女は、東京に住めてうれしいと言った。
かたや、それまで大阪を離れたことすらなかったわたしは、すっかりホームシックに陥っていた。
六畳の和室に置かれた小さなテレビから「大阪で生まれた女」が流れてくると、すすり泣いている自分がいた。
大阪で生まれた女やさかい
東京へはようついていかん
それでもなんとか、ここまで頑張ってこられたのは、Aちゃんはじめ同期のみんなのおかげだと心から思う。
明け方まで悩みを相談したり。
夜通しいっしょに遊んだり。
失恋して、泣いて帰ってきた彼女を慰めたこともあった。
短いあいだだったが、20代前半の多感な時期を、密に共有した。
Aちゃん流【ポジティブになる方法】
現在は、それぞれ結婚し、別々のところに住んでいるわたしたち。
だけどいまでも、壁にぶち当たると彼女の助言を求める。
「人生は、ドロップの缶と同じ」
同期のだれかがスランプに陥ったとき、Aちゃんはかならずこう言う。
好きなドロップばっかり食べてたら、きらいなハッカが残るよなぁ。
でも、ハッカも食べんとアカンねん。
つぎはちがう味が出てくるんやから、食べ終わるのを待つだけや。
人生というドロップの味わいかた
ハッカが出てきたからといって、よけておくのではない。
ハッカをなめている自分を、ただ受け入れるだけなのだ。
いずれ飴は、とけてなくなる。
悲しみや苦しみが、未来永劫つづかないのと同じように。
それに気づくことができる人間は強い。
いまを嘆くだけでなく、その先にあるチャンスを逃さないから。
ポジティブシンキングとは、ネガティヴ思考をどうコントロールすべきか知っていることだと思う。
ひとりにひとつしか与えられない、人生という小さなカンヅメ。
色とりどりの輝く瞬間を、味わって生きよう。
からいと思っていたハッカさえ、意外と甘く感じるかもしれない。
そうすれば人生は、二度美味しい。
ふたりが暮らした思い出の街「ちとふな」
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