羽生結弦選手に捧げるオマージュ【2018年平昌オリンピック/フィギュアスケート男子】
世紀の瞬間を見た。
金のメダルと、銀のメダル。
羽生選手、宇野選手、おめでとうございます!
表彰台から手を振る、二人の日本人メダリスト。
いま、こんなにも感動を与えてくれる存在が他にあるだろうか。
彼らは紛れもなく時代の、そしてスケート史に名を残すヒーローたちである。
シャンパンの泡のような、儚くも確かな瞬間をとらえる
昨日はテレビにかじりついて羽生選手のショートプログラムを応援していたわたし。
だが、今日は前々から予定されていたママ友たちとのランチ会。
リアルタイムでフリーの演技を観ることはできないなと思っていたら、友だちのお嬢さんがNHK平昌オリンピック特設サイトのURLをラインで送ってくれた。
「本当に観れるのかしら?」
モバイルに明るくない世代のわたしたちは、半信半疑でスマホをいじってみた。
すると!
(み、観れる!!)
表参道のお洒落なフレンチレストラン、CILQ。
とても優雅で静かなお店だったので、音声を出すことはできなかったが、小さな画面にみんなで頭を突き合わせて、食い入るように見入った。
スマホという、小さな小さな窓から。
はたまた、お茶の間のテレビに向かいながら。
あるいは、現地で同じ空気を吸いながら。
日本が、そして世界が。
固唾をのんで氷上の美しき闘士を見つめた。
真っ白いリンクに、ただひとり降り立つ。
燃えるような熱いまなざし。
その視線のさきには、なにが見えているのだろう。
ここに立つまでの間、いったいどれほど孤独な闘いを続けてきたのか。
ケガとの闘い。
周囲からのプレッシャーとの闘い。
そしてなによりも、内なる自分との闘い。
すべてを乗り越え、リンクの中央に佇む。
静かに、ただ静かに。
曲がはじまると、彼はまるで天からの啓示を受けたかのように舞いはじめる。
そこからはもう、羽生結弦だけが創り出せる世界。
海外メディアは羽生結弦を「帝王」「怪物」「異次元」「神」「宇宙人」などと報じた。
だが、わたしの目に映った彼は「人間」そのものであった。
挫折し、苦悩し、思考し、立ち上がる。
生命の普遍的なプロセスを完膚なきまで自らの糧とする姿は、同じ時代を生きるわたしたちに力と勇気を与えてくれた。
ひとりの人間が、二度の五輪を制する。
奇跡が弾けてきらめくような。
そんな一瞬に立ち会えたことに、心から感謝したい。
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