健康診断に行くまでに不健康になりそうな話

健康診断に行くまでに不健康になりそうな話

 

f:id:ciel114:20190207071739j:plain


冷たい雨が降るなか、某国の空港に向かっている。

 

今日は、5年ぶりの健康診断。

といっても、現地で行われるものだ。

 

日本では年に一度だが、ヨーロッパの健診機関でも、5年に一度の受診が義務づけられている。

 

以前は3年おきだったが、3年でも5年でも、この仕事をしているとあっという間に過ぎてしまう。

 

毎度、どこのクリニックに行かされるかわからなくてドキドキなのだが、今回は、今まででいちばんナゾな場所に行く。

 

その街の名は明かせないが、国内有数の医学が結集した大学病院のある学生街だそうだ。

 

『外国人クルーが、成田空港から本郷三丁目の病院に向かっている感じか』と、勝手に想像する。

 

それにしても、行ったことのない場所にひとりで行くのは本当に心もとない。

ましてや海外だとなおさらだ。

 

なじみのクルーバスのドライバーさんが、わたしが迷子にならないようにと、わざわざ空港でバスを降りて、切符を買うのを手伝ってくれた。

 

「たいせつなクルーが、ぜんぜん違う方向に行っちゃうといけないからね」

「ありがとう!」

 

さらにはホームまで案内してくれて、無事に列車に乗り込むことができた😭

 

見知らぬ土地へ、国境さえも越えていく。

窓の外に流れゆく景色が、どんどん牧歌的になっていく。

 

ドライバーさんの笑顔が、すでに懐かしい。

 

乗りなれない電車は、居心地がわるい。

さっきの駅で、ほとんどの人が降りていったし、その後なかなか発車しないのも気がかりだ。

 

わたしは車掌さんに聞く。

 

「この列車は、本郷三丁目まで行きますか?」(ニュアンス)

 

f:id:ciel114:20190206223128j:plain

 

動き出した(ホッ)

 

外資系の航空会社で働いていると、外国慣れしているから、どこへだって簡単に行くことができると思われがちだ。

 

だがわたしはチキン。

コスモポリタンとはほど遠い、臆病者なのだ。

 

加えて、路線図や地図のたぐいを見るのが大の苦手。

一駅一駅、まちがっていないかどうか確認する。

 

気持ちを落ちつかせるために、丸の内線に乗っていると思うことにした(どんだけだよ)

 

駅についた。

 

ホームに降り立ち、あたりを見渡す。

それこそ、右も左もわからない。

 

キョロキョロしていると、病院がある通りの名前が書かれた表示を発見!

 

しかし、その通りに出たところで、その先がわからない。

これは、ここで道を聞いておいたほうがいいだろう。

 

近くにいた駅員さんに、地図を見せて尋ねてみる。

すると、表示されている地名とは反対方向の出口から出ろという。

 

あっちに行って、教会のところで右に曲がって、カフェが見えてきたら…

と、フクザツ怪奇な説明がつづく。

 

去年健診を受けた同期のK枝ちゃんからは、

 

「改札を出たら、すぐ右ななめ前にある建物だったと思うよ!」

 

と聞いていたので、そんなに遠いはずがない。

 

しまいには、バスのほうが早いから、詳しくは改札で聞いてみてと言われた。

 

バ…ス…?

ここからさらに、バス?

 

バスに乗るなんて話は、まったく聞いていない。

 

駅員さんには申し訳ないが、彼がいなくなったのを確認してから(気ぃ遣いの日本人っぽい?😂)表示どおりの改札へと向かった。

 

すると、

 

「なんや、目の前やん!」

 

ひとりでツッコミながら、胸をなでおろした。

 

良かった…

 

予約の時間より、1時間も早く着いてしまった。

待合室には、だぁれもいない。

 

f:id:ciel114:20190206225251j:plain

 

近くのカフェに行って時間をつぶす勇気もないので、ここで先生を待つことにした。

 

窓の外はまだ、冷たい雨が降っている。

これから雪に変わるかもしれない。

 

まだ健診も受けていないのに、もう帰りの心配をしている。

 

健康診断に来たのに、なんだか不健康になって帰りそうな気分だ。

 

 

人気ブログランキングに参加しています。

「読んだよ」のかわりにポチッと頂けると励みになります⇩


人気ブログランキング