みんなに聞いてほしい、フライトおもしろエピソード【ビジネスクラス編】

先日のフライトでのこと。
ビジネスクラスのお客様で、カタコトの日本語を話されるご婦人がいた。
どのくらいカタコトかというと、わたしのスウェーデン語と同じくらいだ。
(察してください笑)
堂々とした体躯の、品のいいヨーロッパマダム。
年のころは、70代くらいだろうか。
ご主人と思われる立派な男性と並んで、優雅なフライトを満喫されていた。
わたしがお席までお伺いするたびに、日本語で何か言おうとする。
日頃の勉強の成果を試したい気持ちが、とてもよく伝わってきた。
事件です
その事件は、メインコースを片付けるときに起きた。
彼女は食器をさげようとするわたしに対して、はっきりとした口調で
「ウマカッタデス!!」
と言ったのだ。
しかも、満面の笑顔で。
わたしは不意を食らって吹き出してしまった。
ビジネスクラスで働いている日本人乗務員はわたしだけ。
このおもしろさを共有できる人はいない。
わたしはとりあえず、
「アリガトゴザイマス!!」
と元気に返答した。
(こういうとき、なぜだかわたしもカタコトになる笑)
そして、このマダムに、
「うまい、は男の人が使う言葉ですよ」
と訂正してさしあげるかどうか迷った。
しかしマダムはつづけて、
「ワタシハ、ニホンゴ、オ、ベンキョ、シテイマス!!」
と最高の笑顔でおっしゃった。
日本語が通じたことが、本当に嬉しかったようだ。
ーこの笑顔を曇らせてはいけないー
わたしは瞬時にそんなことを思った。
そして笑いの余韻を残したまま、お台所にひっこんだ。
わたしの選択
着陸前。
少し時間があったので、エコノミークラス担当の日本人クルー・K美ちゃんのところへ行った。
「ちょっと聞いて!前のお客様にさ、こう言われたんだけど」
「あははは!8Dのお客様ですよね?」
「なんでわかったの?」
「わたしも言われたんですよ、『コーヒータベタイ』って」
☕☕☕コーヒー食べたい☕☕☕
「で、どうしたの?」
「コーヒーは、『飲みたい』ですよーって言いました」
「ええっ!!!」
わたしは、誤りを正してあげなかった。
彼女の未来よりも、その場の雰囲気をこわさないことの方を選んだのだ。
(わたしの選択は…わたしのッッ!!)
後悔と自責の念にかられていると、
「わたしは、向こうから『合ってる?』って聞かれたので直したんです」
とK美ちゃんが言った。
わたしはそんなこと聞かれなかった。
太陽のような笑顔で、「ウマカッタ」と言われただけだ。
「だから、ミキサンだいじょうぶですよ~」となぐさめられたが。
わたしは今でも、少し悔やんでいる。
あのマダムが日本に滞在中、レストランにいくたび
「ウマカッタデス!!」
と店員に言っていたら、それはわたしのせいだ。
外国語を話すということ
わたしのスウェーデン語も、きっとこんな感じなんだろうな。
英語だって、ネイティブからしたら笑える表現を使っているのかもしれない。
でも、大事なのは、外国語を話そうとする姿勢。
その国のことをリスペクトするから、その国の言葉を話したくなる。
そんな自然な気持ちが、何よりも大切なのだ。
日本を愛し、日本語を学び、日本語で話そうとする外国の方々を、心から愛おしく思う。
✈7年前にもこんな記事を書いていました🤣
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