ミセスCAのオン&オフ日誌

50代現役外資系キャビンクルーライフ

【54歳でCAに復帰】5年9ヶ月ぶりに空を飛んで

【54歳でCAに復帰】5年9ヶ月ぶりに空を飛んで

 


わたしは、外資系エアラインの客室乗務員。

先月、約1ヶ月間にわたるヨーロッパでの『新人訓練』を終えた。

そしてつい先日、1本目のトレーニーフライトから帰ったばかり。

 

同じ会社で2度も新人研修を受けた理由

 

54歳のわたしが、なぜ新人研修からやり直しているのか。

それは、2020年に始まったコロナ禍以来、日本人CAはスタンバイだったから。

ライセンスの有効期間が、すっかり切れてしまっていたのだ。

 

正社員として会社に籍はありつつも、フライトはゼロという日々。

副業が許されていたため、わたしは英語講師をしていた。

去年からは公立中学で教鞭をとりはじめ、教員としての仕事にもやりがいを見出していた。

 

そして「もう、このまま定年を迎えるかも?」と本気で思いはじめた今年の夏。

本社からようやく招集がかかった。

最後に飛行機を降りてから、実に5年半の月日が流れていた。

 

平均年齢50歳のキャビンクルー、1ヶ月の共同生活

 

今回復帰した日本人CAは、ぜんぶで21名。

最年少が38歳、最年長が64歳という、日本の航空会社では考えられない高年齢層だ。

2011年以降、日本人クルーの採用がなかったので、全員がベテランだと言える。

だからインストラクターたちも、「きみたちはもう知ってると思うけど」と前置きすることが多かった。

 

行く前までは、正直不安しかなかった。

だけど1回目の授業で、その気持ちが少し和らいだ。

インストラクターはわたしたちに、この5年半の気持ちを吐き出させ、慰め、前へ進む準備をしてくれた。

 

アルバイト生活、親の介護、子供の世話、自身の病気など。

さまざまなバックグラウンドをもって集まった人たち。

ひとりの子どもが6年生になり卒業してしまうくらい長い年月を、待って待って、待ち続けた。

それぞれに状況は違えども、大好きな仕事に戻りたい気持ちはみな同じだと分かった。

この日、わたしたちは、同じ方向を向いて歩きはじめた。

 

わが社では、1機につき1名の日本人しかいないため、全員が一堂に会する機会はこれが初めてだった。

最初は少しよそよそしかった人間関係も、命がけのトレーニングを通して徐々に距離が縮まっていった。

極寒の海における緊急着水訓練。

赤々と燃えさかる炎を消す活動。

「われわれが入社当時、ここまでキツかったか?」と思うほどに、近年の訓練は厳しくなっている。

それを平均年齢50歳の集団が行うのだから(以下略)

お互いに助け、励まし合い、絆はどんどん強くなっていった。

 

2025年、仕事を通して学んだこと

 

そして全員が無事テストにパスし、それぞれがそれぞれの空を飛びはじめた。

コロナ前まで、1フライトにつき日本人乗務員は1人だけしかいなかった。

これからも実質、1人だけれど。

厳しい訓練をともに戦った、先輩・後輩・同期の存在が心の支えとなっている。

だからわたしはもう、1人じゃない。

 

歳を重ねると、失うものだけが増えていくと思っていた。

だけど決してそうではなかった。

すべてが元通り、とまではいかないけれど。

人生は、いつからだってやり直せる。

2025年は、そんな素敵な学びがあった。

 

人生2度目のファーストフライトを終えて

 

本国のクルーたちは、以前と何ひとつ変わらず、優しくて温かくて。

「ミキ(わたしの本名)おかえり!」

「戻ってきてくれて本当に嬉しい!」

「次に一緒に飛ぶのが待ち遠しい!」

たくさんの嬉しい言葉がけをもらえて、あ〜、本当に帰ってきたんだと実感。

 

下の写真は、忙しい仕事の合間にスチュワードが作ってくれたドリンク。

「乗務中だからシャンパンで乾杯できないけど」と言って、アップルジュースを炭酸水で割ってくれた。

わたしにとっては、シャンパンよりずっと価値のある飲み物だった。

 

 

一度失ったからこそ、手にしていたものの真価が分かることがある。

人生に無駄なことなんて何ひとつないんだと、心から思える。

 

一時は、このブログのタイトルを変更しようかどうか悩んだけど。

そのままにしておいて良かった。

『ミセスCAのオン&オフ日誌』

開設当初と変わらぬ気持ちで、この仕事の楽しさを伝えていきたいと思います。

 

 

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#2025年仕事の思い出