映画『キングダム 大将軍の帰還』からの帰還
映画『キングダム』を観に行った。
しかもひとりで。
これを聞くと、友だちは一様にこう言った。
『Vikiちゃんがキングダム見るイメージない!!』
そりゃそうだ。
わたし自身がそう思っているのだから。
映画『キングダム』を観た感想
キングダムは、血、砂塵、怒号、屍で構成される、エンドレスな戦いの物語。
わたしが好きな、愛や夢、パステルカラーのお花や美しい衣装は出てこない。
本当に、最初っから最後まで戦っているのである。
本当にえんえんと、どちらかが◯ぬまで戦い続けている。
あきれるぐらいの殺戮シーンの連続だが、合間合間に人間ドラマが挟まれている。
それらを見るにつけ、戦の激しさが正当性を帯びたものになっていくから驚き。
アクション映画が、こんなに面白いとは思わなかった。
「この状況だったらこうなるよな」という、有無を言わせぬ説得力。
戦争反対、グロいの痛いのダイッ嫌いなわたしが、夢中でのめり込んでしまった。
「大将軍の帰還って、大将軍の帰還って…そういうことか!!」
気づいたときには、涙腺が白旗をあげていた。
今でも思い出すと涙が出そう。
とにかくホント、すべてがすごいんだよ、キングダム!
映画『キングダム』を観に行った理由
そもそも、なぜ一人でキングダムを観に行ったのかというと。
その日がマンションの断水だったからだ。
うちにいると、何かと水を使う。
使うなと言われれば、なおさら使いたくなる。
ならばいっそ出かけてしまおうと考えたのが、ことの始まりだ。
(カッコつけていうことでもないけど)
わたしは近隣の映画館の上映スケジュールと睨めっこした。
人気映画ランキングや著名人などの評価も参考にする。
いつもなら、『九十歳。何がめでたい』あたりを選んでいただろう。
実際、佐藤愛子さんの原作小説だって読んでいるし。
でも最近のわたしは、自分に課していることがある。
それは、食わず嫌いをやめることだ。
この歳ともなると、ある程度のことは経験してきたという自負がある。
だが、まだやっていないこともたくさんある。
人生を振り返ったとき後悔しないように、未知なるチャレンジを続けたい。
映画ごときで大げさな、と思われるかもしれないが。
人生は小さな挑戦の積み重ねだと思っている。
見逃してきたこと、目を逸らしてきたものの中に、キラリと光る玉が隠れているかもしれない。
それを見つけた瞬間、人の魂は輝き出す。
もはやその瞬間のために生きていると言ってもいい。
新しい発見、新しい感動。
あとどれだけ、巡り合えるだろうか。
慣れているものには安心感がある。
期待を裏切らないという安心感が。
でも今回は、逆の意味で期待を裏切られた。
自分と親和性ゼロだと思っていたキングダムに、すっかりハマってしまったのだから。
キングダムから帰還したら、断水は終わっていた。
帰る家があり、いつでも自由に水が使える。
夜になっても、だれもうちには攻め入って来ない。
ありふれた日常が、急に愛おしく思えてきた。
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