ミセスCAのオン&オフ日誌

現役主婦CAが、人生という旅の中で感じた諸々を綴ります。 愛する故郷大阪と、東京そして世界を繋ぐ架け橋となるのが夢。

帝劇ミュージカル【モーツァルト!】古川雄大×木下晴香バージョン 観劇レポート

【モーツァルト!】を観に行ってきた

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噂にたがわぬ、素晴らしい舞台だった。

主演の古川君の、モーツァルトとして「役を生きる」姿に胸を打たれた。

役者というのは、舞台上でその役を生きる者。

このミュージカルは、出演者全員が、まるでその時代の人間であるかのように息づいていた。

この日の香盤表

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感想

コンスタンツェ役、木下晴香さんの「ダンスはやめられない」が心に響いた。

デュエット曲「愛していれば分かり合える」の歌詞通りに、互いの奥深く触れ合うことができない哀しみ。

理想と現実とが、どんどんかけ離れていく焦燥。

刹那的に生きているように見せかけて、心の中では物凄い葛藤がうずまいている。

溢れ出すさまざまな感情を、まだ19歳とは思えないほど退廃的な色香をもって歌い上げた。

悪妻の代表のように言われるコンスタンツェだが、天才モーツァルトの妻でいるのは並大抵の精神では務まらなかっただろう。

夫が命を削って音楽を創り出したと同様、やり方の是非はどうあれ、精いっぱい夫を鼓舞しつづけた妻としての苦悩が伝わってくる歌唱だった。

ヴァルトシュテッテン男爵夫人役の涼風真世氏は、コロレド大司教役の山口祐一郎氏と同じく、そこに居るだけで場面が成立するという、圧倒的な存在感に満ちていた。

宝塚ファンであるわたし個人の見解であるが、男役トップを張った人間にしか出せないオーラというものが存在すると思う。

涼風氏は、何年にもわたってそのオーラを保ち続けるスターである。

「星から降る金」を歌う彼女こそが、黄金のように輝いていた。

そして、このミュージカルの宝とも言うべき名曲「僕こそ音楽」「影を逃れて」

いずれのナンバーも、魂が揺さぶられるような感覚に包まれた。

天賦の才を持ちながら、同時に享楽的な若者でもあったヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト。

本当はもっと楽に生きたいのに、自分自身の才能がそれを許さない。

常にそのギャップが支配する呪縛に苛まれ、苦悩の末に精神を病んでしまう。

無邪気な子供だったモーツァルトが、大人になり年を重ねるにつれて狂気をエスカレートさせていく様が、息苦しいほどに伝わってきた。

結局、最期まで自分の影から逃れられなかったモーツァルトだが、古川君を見ている限り、素晴らしい成長を遂げたひとりの人間としての人生が確かにそこにあった。

悲劇ではあるが、清々しさも同時に感じることができたのは、古川君のリアリティある芝居に魅せられたからに他ならないだろう。

父親役の市村正親氏の手堅い演技も、モーツァルトに息を吹き込んだ大きな原動力であったに違いない。

あの日以来、劇中歌が頭の中をエンドレスでリピートしている。

そんな甘い苦しみを、観劇後もなお味わうことができるのは、この作品が名作たるゆえんだろう。

 

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