ミセスCAのオン&オフ日誌

現役主婦CAが、人生という旅の中で感じた諸々を綴ります。 愛する故郷大阪と、東京そして世界を繋ぐ架け橋となるのが夢。

シャンパンにまつわるナイショ話

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昨日のビジネスクラスでは、シャンパンがよく出た。

 

会社的には手痛い出費だが、客室乗務員にとってはちょっとありがたい。

 

機内サービスする方から見て、飲み物にはいくつかのカテゴリーがある。

 

それは

 

①注ぐだけのもの

ジュース、ワイン、水など(シャンパンはここ)

 

②そのつど缶を開けるもの

ビール、コーラなど

 

③混ぜるだけのカクテル

 

④シェイカーで作るカクテル

 

①から順に、難易度も、所要時間も上がっていく。

 

お客様が数人であれば大差ないことだが、数十人レベルになるとワークロードにはっきりとした違いが出てくる。

 

飛行機はレストランと違って、早く食事を終えて休みたい人も多いから、あまり優雅にサービスを続けてはいられない。

 

しかしお上は、他社との差別化を図り、ファンシーなカクテルレシピを次々に送りこんでくる。

 

④のオーダーばかりが続く日、わたしは織田裕二になる。

 

『サービスは会議室で起きてるんじゃない!現場で起きてるんだ!』

 

ゆーて日本人クルーはわたし一人なので、ユニバーサルなギャグ、すなわちネバーエンディングストーリーのテーマなんかを歌ってお茶を濁すのが関の山だ。

 

いちばん厄介なのが、ハチミツを使用したカクテル。

 

混ぜてもまぜても、グラスの下の方でじっとりと固まっとる。

 

ルバーブのペーストは固まりこそしないが、ハチミツと同じく手ベタベタ系なので、毎度手を拭いて仕切り直さねばならない。

  

ドリンクだけでなく、液体アイテムの取り扱いにはじゅうぶん注意が必要だ。

 

昨日はスチュワードが、チーズケーキに添えるベリーのソースを準備しているとき、うっかり返り血ならぬ返りソースを浴びていた。

 

シェフ服を紅く染めた彼を見て、パーサーが一言

 

Murder in the kitchen(台所殺人事件)

 

すぐさま、ギャレーは笑いの渦に。

 

誰かが失敗しても咎めるどころか、ネタにしておいしい方向に持ってってしまう。

 

この会社で働けて、本当に良かったと思う瞬間である。

 

さてシャンパンに話は戻るが、余ったシャンパンをどうするか、あなたはご存知だろうか?

 

棄てる?

 

その通り(児玉清ふうに)

 

開栓済みのワインやシャンパンは、次のフライトまで持ち越せないから、その場で流しに棄てるのである。

 

気の抜けたシャンパンは、ただの酵母ジュース。

 

そんなものを、次のお客様にお出しすることはできない。

 

でも…でも…

 

パイパー・エドシックが!

 

ニコラ・フィアットが!

 

流しの中に渦を描いてみるみる落ちていく…

 

初めはその光景を見て、悲しみが止まらなかった。

 

だがある時、

 

「シャンパンで手を洗うときれいになるのよ〜」

 

とクルーから教えてもらった。

 

シャンパン酵母のなせる力であろうか、たちまちしっとりとキメが整い、ハリのある肌になれるのだ!

 

それからというもの、機会があればシャンパンで手を洗っているわたし。

 

いつかこれで、顔全体を洗ってみたい。

 

しかし機内では、メガ盛りメイクが施されているため洗顔することはできない。

 

スッピンで乗務をする勇気はないから、一生この野望が叶うことはないだろう。